第31回日本遺伝子細胞治療学会学術集会

2025年7月23日(水)-25日(金)
ホテル雅叙園東京

マックスサイト(ブース番号:42)およびPHC(ブース番号:43)

Featured Presentation

アフタヌーンセミナー#3: ウイルスフリーの細胞加工技術による最先端遺伝子・細胞治療

2025年7月23日(水) 15:15-16:15 第3会場(華しらべ)

初代ヒト細胞のゲノム編集は、がんや遺伝性疾患など、さまざまな疾患に対する革新的な治療法の実現に向けて、大きな期待が寄せられています。しかし、ウイルスを使った細胞加工には、高コスト、製造期間の長期化、さらにはウイルス配列が宿主ゲノムに組み込まれることによるリスクなど、いくつかの課題があります。こうした背景から、ウイルスを使用しないゲノム編集アプローチが、近年、基礎研究から臨床応用に至るまで幅広く注目を集めています。
MaxCyte®のエレクトロポレーション技術は、DNA、mRNA、RNPといったさまざまなゲノム編集ツールを、多様な初代細胞や幹細胞に対して効率よく導入できる非ウイルス性手法です。本セッションでは、異なるタイプの遺伝子編集ツールを初代細胞に導入する際の注意すべきポイントや工夫について解説します。また、ノックアウトおよびノックイン応用において、高い編集効率と細胞生存率を維持した、ヒト表皮角化細胞、iPS細胞、NK細胞、活性化T細胞などの代表的な事例もあわせてご紹介します。

Presenters

MasahisaOhishi

大石 真久 PhD

シニアフィールドアプリケーションサイエンティスト, MaxCyte

大阪大学微生物病研究所にてヒト免疫不全ウイルス(HIV)研究に従事し、2009年に博士号を取得。その後、キコーテック(株)に入社。研究員、FAS、FASチームマネージャーとしてエレクトロポレーションを使った遺伝子導入技術を習得し、顧客サポートに従事。2023年10月MaxCyte入社。アジア太平洋地域のお客様や各国代理店の技術サポートを行っている。

Picture of Peter Gee

ピーター ジー PhD

APACリージョナルマネジャー, フィールドアプリケーション, MaxCyte

専門は遺伝子編集および幹細胞技術。University of California, Davis校にて生化学および分子生物学の学士号を取得後、Roche Palo Altoの生化学薬理コアグループにてリサーチアソシエイトとして勤務し、ウイルス酵素に対する低分子化合物の研究を行う。京都大学ウイルス研究所で博士号を取得後、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の堀田秋津研究室にて博士研究員として従事。人工的に設計された細胞外ナノ粒子を用いて、CRISPR-Cas9リボヌクレオタンパク質複合体の送達手段の開発に取り組む。2019年MaxCyte入社以来、CAR-T細胞やMSC(間葉系幹細胞)を含む臨床応用に向けて、高効率・高細胞生存率を実現するスケーラブルなエレクトロポレーションプロセスの最適化等、お客様に寄り添った技術サポートを提供している。

Poster presentation

#LP5 (ポスター): Highly Efficient Engineering Of Difficult-to-Transfect Immune Cells Using MaxCyte® Electroporation (MaxCyte® エレクトロポレーション技術による免疫細胞への効率的遺伝子導入)

Picture of Peter Gee

Poster presented by ピーター ジー PhD, APACリージョナルマネジャー, フィールドアプリケーション, MaxCyte
2025年7月24日(木) 10:55-11:35 

細胞治療はさまざまな疾患に対する有望な治療法として注目を集めています。実際、T細胞、NK細胞、マクロファージといった免疫細胞は、がん、自己免疫疾患、変性疾患などの治療に活用されています。こうした免疫細胞の治療効果と安全性をさらに向上させるには、遺伝子導入が困難なこれらの細胞に対して、バイオ分子やゲノム編集ツールを高い効率で導入することが求められます。この課題に対し、MaxCyteはExPERT™エレクトロポレーションシステムを用いて効率的に設計された細胞操作ワークフローを開発しました。これによりRNA、DNA、CRISPR-Casヌクレアーゼなどの分子をさまざまな細胞タイプに高効率で導入することが可能となっています。本ワークフローを活用することで、初代ヒト免疫細胞に腫瘍標的型受容体を発現させつつ、高い細胞生存率と機能性を維持しながら、効率的に細胞加工が実現できます。特に、mRNA、トランスポゾン/トランスポザーゼ発現用DNA、あるいはCRISPRリボヌクレオタンパク質(RNP)および相同組換え修復(HDR)テンプレートを高効率で導入することにより、T細胞、NK細胞、マクロファージといった遺伝子導入が困難な免疫細胞に対して、CARやTCRの一過性および安定的な発現を実現しました。さらに、このワークフローは治療用途に適した細胞加工スケールへのシームレスな移行にも対応しています。